「妖婦ミレディーの秘密」ダイジェストストーリー

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タイトル

あらすじ(初出人物はキャラクター紹介へリンク)

1

イギリス人とフランス人

決闘によってウィンター卿と知り合ったダルタニャンは、彼に義妹のミレディーを紹介してもらう。

2

代訴人のご招待

ポルトスは恋人のコクナール夫人のもとへ昼食に出かけたが少々期待はずれ。それでも夫人に出陣準備を整えてもらう約束をとりつける。

3

女中と奥さま

すっかりミレディーに夢中になり、彼女の家に通いつめるダルタニャンだったが、彼に心寄せる女中のケティにダルタニャンを憎むミレディーの真意を教えられる。ミレディーの想い人であるワルド伯爵宛の恋文を利用し、復讐を計画する。

4

アラミスとポルトスの出陣の準備

出陣の準備に狂奔する銃士たちだったが、アラミスのもとへは、謎の人物から金貨が届けられた。一方、ポルトスのもとへ届いた馬はあまりにもひどい騾馬。

5

夜になると猫はみんな灰色

ダルタニャンはワルドの名を語ってミレディーと一夜を過ごした。彼女に贈られたサファイヤの指輪を見たアトスは、彼女と別れるよう忠告。ダルタニャンはそれに従い、ミレディーを侮辱するようなワルドの偽手紙を書く。

6

復讐の夢

偽手紙を受け取ってワルドに憎しみを抱いたミレディーは、ダルタニャンを復讐の道具として利用しようと企み、愛想よく歓迎する。

7

ミレディーの秘密

今度はダルタニャン自身としてミレディーの寝台に迎えられてすっかり有頂天になった彼は、ワルドからの偽手紙の一件を告白。血相変えて立ち上がった彼女の肩に百合の烙印がついているのを見てしまう。

8

アトスがぞうさもなく支度を整えたいきさつ

ミレディーのもとから逃げ出したダルタニャンは、アトスのところへ転がり込むとミレディーの恐ろしい秘密を打ち明け、。アトスは彼女がかつての妻だと確信する。ダルタニャンの提案で、二人は彼女から贈られたサファイヤの指輪を使い出陣の支度を整えることにする。

9

まぼろし

出陣の準備ができた三銃士とダルタニャンのもとに届いたのは、ボナシュー夫人の命がけのあいびきと枢機官からの呼び出しの手紙。早駆けの馬車で通り過ぎた恋人を見送ったあと、ダルタニャンは枢機官邸へ。

10

枢機官

ダルタニャンの働きを評価しているリシュリューは、彼を自分の隊へ誘った。ダルタニャンは彼の誘いを断りながらも、彼が自分の身の危険を警告してくれたのだと感じていた。

11

ラ・ロシェルの
包囲戦

ラ・ロシェルの包囲戦へ出陣したダルタニャンは、何者かに命を狙われて警戒していた。敵情視察の決死隊として最前線に向かったダルタニャンは味方からの銃撃を浴びるが機転で殺し屋を捕らえ、彼らがミレディーの手先だったと知る。

12

アンジューのぶどう酒

三銃士からと偽ってダルタニャンのところへ送られてきたぶどう酒に毒が入っていた。三銃士と再会し、間一髪で命拾いしたダルタニャンは、ミレディーの恐ろしい復讐に気づく。

13

『赤鳩亭』

三銃士は、居酒屋からの帰り道にお忍びで外出する枢機官と出会い、彼の護衛として再び居酒屋へ引き返すことになる。

14

煙突の効用について

居酒屋の二階に上がった枢機官のため階下で待つ三銃士たちは、煙突を通じて枢機官とミレディーの話し声が漏れるのを聞いてしまう。彼女は、ラ・ロシェルを援助するバッキンガム公爵暗殺を命じられ、見返りとしてダルタニャンへの復讐への援助を希望、枢機官の白紙委任状を受け取る。

15

親友交歓

ダルタニャンの危機を救うためにアトスは一計を案じ、ミレディーが一人残った部屋へ引き返すと、自分の正体を明かし、枢機官の委任状を奪い取る。

16

サン・ジェルヴェの稜堡

ミレディーの一件を伝えようとダルタニャンを呼び出した三銃士だったが、陣営での密談がはかどらず、昨夜占領したばかりの敵の稜堡で朝食をするという途方も無い賭けをしながら相談することになる。

17

銃士たちの会議

三銃士とダルタニャンは稜堡に立てこもり、敵と応戦しながら密談を進める。その結果、王妃とミレディーの義兄ウィンター卿にバッキンガム暗殺の陰謀を知らせ、ミレディーの動きを封じ込めることにする。無事陣地に帰ってきた四人は、英雄扱いを受け、枢機官の進言によってダルタニャンは念願の銃士となる。

18

内緒話

四人の銃士は枢機官の目をかすめ、打ち合わせ通りにウィンター卿と王妃の側近に向けて手紙を書き、従者に届けさせる。

19

運命

一方ポーツマスの港に着いたミレディーは、一人の士官によってウィンター卿の城へ半ば強引に案内される。

20

兄妹の物語

ダルタニャンによって事情を知らされたウィンター卿は、ミレディーを城に幽閉すると士官のフェルトンを彼女の監視役に任命した。

21

士官

攻囲戦に憂身をやつす枢機官が巡視に出かけた折、四銃士たちの愉快そうな様子を見かけ詰問する。運悪くアラミスは、ボナシュー夫人の消息を知らせる手紙を手にしていたが、アトスの機転で枢機官の追求からなんとか逃れることができる。

22

幽囚の第一日

囚われのミレディーは、この窮地を抜け出すため、早くも頭を巡らせ始めた。食事の給仕を利用して監視役の男を見極めようと企んだが、あえなく失敗。それでも、このフェルトンという男に狙いを定めようと目星をつける。

23

幽囚の第二日

ミレディーはフェルトンが清教徒であることを見破り、自分も清教徒であるかのように芝居をうつことにした。讃美歌を歌い続ける彼女に心動かされてゆく若い士官を見て、ミレディーは微笑を浮かべる。

24

幽囚の第三日

フェルトンと話す機会を得たミレディーは、ウィンター卿とバッキンガム公爵が彼女を陥れようとしているとほのめかす。

25

幽囚の第四日

名誉を失うよりも死を望む聖女を演じ続け、次第にフェルトンを追いつめるミレディー。彼女の魅力たっぷりな芝居に心乱されるフェルトンは、任務との板挟みで迷っていた。

26

幽囚の第五日

真夜中、ミレディーのもとを訪れたフェルトンに、彼女はある高貴な男に無理矢理意のままにされたという悲劇的な身の上話をでっち上げ、フェルトンの苦悩を掻き立てる。

27

古典喜劇の手法

フェルトンの苦悩が最高潮に達したとき、ミレディーは彼女を陥れた男がバッキンガム公爵であることを打ち明けた。そのとたんにウィンター卿が部屋に入ってきたので、ミレディーは胸にナイフを突き立てるという決死の大芝居をやってのける。

28

脱出

ミレディーの企みに気づいたウィンター卿に遠ざけられたフェルトンは、嵐に乗じて彼女を城から助け出すことに成功すると、バッキンガム公爵のもとへと向かう。

29

1628年8月23日ポーツマスで起こった出来事

フランス王妃の使者、ラ・ポルトとウィンター卿がそれぞれ公爵の危険を知らせに駆けつけるが、その直前にフェルトンはウィンター卿の使者と偽ってバッキンガム公爵に謁見。公爵は短剣で刺されて絶命する。

30

フランスの状勢

王妃からボナシュー夫人の引き渡し許可証を受け取った四銃士は、国王の供としてパリへ同行。休暇をもらいボナシュー夫人の隠れるベチューヌの僧院へ向かうが、途中ローシュフォールを見かけ、不安が募る。

31

 

ベチューヌのカルメル会の修道院

イギリスから帰るとベチューヌの僧院へ向かったミレディは、枢機官に迫害された夫人のふりをして尼僧院長の信頼を得、ボナシュー夫人を紹介される。ボナシュー夫人も彼女を味方だと信じてしまう。

32

悪魔の二つの型

枢機官の命令で僧院のミレディーのもとへやってきたローシュフォールは、彼女からの報告を受けるとアルマンティエールで再会する約束をして、枢機官のもとへ引き返す。

33

水の一滴

ミレディーとボナシュー夫人の食事中、四銃士が僧院に到着するが、ミレディーは逃亡。一方ボナシュー夫人は毒を飲まされ、ダルタニャンの腕の中で息を引き取る。一足遅く到着したウィンター卿も仲間となり、アトスは彼に夫人の仇を取ることを勧める。

34

赤外套の男

復讐を引き受けたアトスは、従者たちにミレディーの居場所を突き止めさせると、仲間を集め、赤外套の謎の男を連れてミレディーのもとへ向かった。

35

裁き

遂にミレディーを追いつめた四銃士とウィンター卿は、ミレディーの罪状を述べてゆく。赤外套の謎の男は自分がリルの首斬役人であり、彼女の若い頃の罪により肩に烙印を押した人物であることを明かすのだった。彼らの下した判決は、死刑!

36

処刑

その夜、銃士たちが見守る中で、首斬役人によりミレディーの処刑がおこなわれた。

37

 

結び

国王と銃士たちがラ・ロシェルへ戻る途中、ローシュフォールが枢機官の命でダルタニャンを逮捕しにやってきた。だがミレディー処刑の顛末を告白し、枢機官の裁きに委ねようというダルタニャンの利発で潔い態度を見て、枢機官は彼に銃士隊副隊長の任命書を与えるのだった。

38

エピローグ

ラ・ロシェルの落城後、ダルタニャンは新しい任務につき、ローシュフォールと友情を結んだ。三銃士たちも軍籍を退き、それぞれ新しい生活を開始する。


「ダルタニャン物語」情報INDEX

<背景:サン・ジェルヴェ稜堡の三銃士(Jean-Adolphe Beauce挿画)>

©三銃士ファンクラブ銃士倶楽部/文:NO.19いせざきるい>