M:TG公式戦 in 魔法堂
序章
先日、O氏より「魔法堂なるお店があるそうだ。」との電話が入る。
しかも、「トーナメントに出られるかもしれない。」との話。
なんでも、トレーディング・カードのお店で、名古屋市天白区島田にあるそうな。
白樺書房で入手した雑誌か何かに載っていたらしい。
先の半田大会は体調不良で出られなかったから、出られるモンなら出たい。
また、島田と言えば、私がO氏の家を訪ねるときの通り道である。
この間、同じく通り道の野並にあるM:TGも扱っていたゲームショップがつぶれたため、O氏を訪ねる道すがらM:TGのカードを買ってシールド戦を楽しむというパターンに支障をきたしていたところである。
全く、「渡りに船」とはこのことだ。
土曜の夜からO氏のお宅におじゃましてデッキ調整をすることにした。
グランプリ名古屋で使った「植林デッキ」を緑単にして尖らせたものをテスト。
これが回らない。
色不足の土地事故こそ無いものの、肝心のキーカードがそろわないのだ。
これでは意味がない。
そこで、白を加えて調整。
なかなか良い。
さらに、[アカデミーの学長/Academy Rector(UD)]を抜いて、[悟りの教示者/Enlightened
Tutor(6E)]を入れて更に調整し、何とか形になった。
このデッキのリストはこちら。
当日
O氏と私にM:TG好きなK少年を加えた3人で魔法堂に向かう。
「女子小学生のバイトが3人出てきたらどーする。」とO氏。
わははーー。
でも、実際にあったら労働基準法違反じゃないだろうか?
私も「コスプレ店員が出てくる方が怖いー」などと受けて、バカをいい合いながら11時半頃到着。場所はいつも通る道から西へ少し入ったところだった。
しかし、まだ開いてない。
「日曜だからなー。きっと昼から開くんだよ。」と私。
「でも、トーナメント1時からだって書いてあったぞ。」とO氏。
とりあえず、角の[JAN]という焼き肉屋に昼飯を食いに入る。
ここは当たりだった。
日曜でもランチ(バイキング式)をやっている。
味もなかなかで、コストパフォーマンスを考えると文句なしである。
気分を良くして魔法堂に向かう。
魔法堂は、こぢんまりとしてはいるが、デュエルスペースもしっかりした感じのいい店だった。
ホワイトボードに、イベントの案内が書いてあり、今日はM:TGのスタンダードトーナメントになっている。これは、先に入手した情報通り。
ただ、集まり始めている出場者らしき人たちは、みな中高生ぐらいで、おじさんとしてはなんとなく出場しますと言い出しづらい感じ。
そこへ闖入者。頬に大きな傷痕のある大人が入ってくる。
店内静まりかえる。
「表のビールの旗はここのかぁ。となりかぁ。」かなりろれつが回っている。
店員が「となりです。もう開いてると思います。」というようなことを言うと、ふらふらと出ていった。
びっくりしたーー
これをきっかけに、一気にうち解け、出場することに。
まったく、なにが起こるかわからんもんだ。
だんだん出場者も増え、スペースほぼ一杯の16人位になった。
試合
1回戦 赤茶アーティファクト入れ替えデッキ ○×○
第1セット:
割と調子よくカードが集まりコンボが発動。
相手事故気味か?
この時点では赤茶単らしいとしかわからなかった。
第2セット:
またも割と調子よくカードが集まる。
相手の場には、前のターンにプレイした[マスティコア/Masticore(UD)]があるが、ライフは十分残っている。次の相手のターンの終わりに[悟りの教示者]をプレイして、次の自分のターンにはコンボ発動である。
相手、[マスティコア]のアップキープコストとして[からみつく鉄線/Tangle
Wire(NE)]を捨てる。
そして場には、ずいぶん前から[ゴブリンの溶接工/Goblin
Welder(UL)]が…
弱っちいクリーチャーなんで忘れとったわい。
[マスティコア]にこちらの弱いクリーチャーを除去られたあと、[ゴブリンの溶接工]の能力で[マスティコア]のかわりに[からみつく鉄線]が場に出る。
マナが出せない!発動できない!
これでこちらの手が止まってしまった。
この手のコンボは[ファイレクシアの巨像/Phyrexian
Colossus(US)]を使ったものは知っていたし、それなら1ターン耐えればコンボ発動なのだが、[からみつく鉄線]でマナ拘束されてはどうしょうもない。
パーマネントを増やしたいから土地を引きたいのだが、こういうときに限って土地が来ないんだよね。
[マスティコア]と[からみつく鉄線]が代わりばんこに場に出て[マスティコア]で攻撃される。
0マナの[羽ばたき飛行機械/Ornithopter(6E)]を出して抵抗するも、[マスティコア]の能力で破壊される。
ついには2枚目の[からみつく鉄線]をプレイされてジ・エンド。
第3セット:
第1ターン。相手、山セット。今回は[ゴブリンの溶接工]が出てこない。
第2ターン。自分、森セット。
第3ターン。相手、山、[厳かなモノリス/Grim
Monolith(UL)]、[摩滅したパワーストーン/Worn
Powerstone(US)]とプレイ。速い速い。
第4ターン。自分、森セット。パーマネントを増やすために、[菌獣の群落/Saproling
Cluster(NE)]を早々とプレイする。
第5ターン。相手、山、[スランの発電機/Thran
Dynamo(UD)]をプレイ。マナ展開も、パーマネント数も負けている。しかし、こちらは既に[繁殖力/Fecundity(US)]と[アシュノッドの供犠台/Ashnod's
Altar(6E)]が手札にあったので土地さえ来れば一気と考えていた。
第6ターン。自分、ラッキー!土地引く。しかし、それでも3マナしかない。先に、[繁殖力]を出した場合、次のターンに土地を引けないと[アシュノッドの供犠台]を出すだけで、コンボの発動はその次のターンになってしまう。[アシュノッドの供犠台]を出しておけば、引いたのが[極楽鳥/Birds
of Paradise(6E)]でもコンボが発動する。というわけで、[アシュノッドの供犠台]をプレイ。
第7ターン。相手、[略奪/Pillage(6E)]を[アシュノッドの供犠台]に対してプレイ。あうー。赤だもんなー。こっちの作戦はばれてるし、当然予想しておくべきだった。
第8ターン。自分、[羽ばたき飛行機械]を引く。あ、土地でなくても[繁殖力]先で、コンボ発動させるものが有ったじゃん。まあ、世の中こんなもんだーね。[羽ばたき飛行機械]と[繁殖力]をプレイ。
第9ターン。相手、[からみつく鉄線]をプレイ。さらに、[煙突/Smokestack(US)]をプレイ。そんなもんまで持っとったんかい。たぶん、こっちがリーチかかったんで、[ゴブリンの溶接工]や[マスティコア]を待てなくなったと思われる。
ここから、[菌獣の群落]の能力で苗木トークンを出し合って、耐える戦いが始まる。
そして、相手[マスティコア]をプレイ。
自分も苗木トークンを出して耐え、自分のターン終了時点で場にあるのは
相手、[煙突](スス・カウンタ×3)、[スランの発電機]×2、[マスティコア]。自分、[菌獣の群落]、[繁殖力]、[森]、[アダーカー荒原/Adarkar
Wastes(6E)]、[羽ばたき飛行機械]、[極楽鳥]。
相手、アップキープフェイズに考えた末、[スランの発電機]×2から6マナを出し、[マスティコア]の能力で、[羽ばたき飛行機械]、[極楽鳥]を破壊。その後、[スランの発電機]×2と[マスティコア]を生け贄に捧げ、スス・カウンタを4とした。
私の場のカードも4枚になった訳だから、明らかに場のリセットを狙ったと思われる。
そして、カードを引いてから相手は「あっ、だめだぁ」とつぶやく。
煙突合戦の間、クリチャー以外のもので場に出たのは、相手[スランの発電機]、私[アダーカー荒原]で同じだが、初期の展開でカードを出していない分私の方が手札が多いのだ。
このとき、私の手札は、[森]、[悟りの教示者]、[輪作/Crop
Rotation(UL)]。考えた末、[森]を残して苗木トークンを2つ出し、その苗木トークンと土地2枚を生け贄に捧げる。
結局、リーチを維持したことが勝ちにつながった。
共に、微妙なプレイミスはあったものの、僅差の良い戦いだった。
2回戦 緑白ニュータイプ・デッキ ○○
デッキ名は、対戦相手の近藤昌平さん自身の命名。
第1セット:
相手、[からみつく鉄線]をプレイ。
またかい!
しかし、ダメージソースが今一。
場が固定している間に、コンボ用のキーカードが引き揃い、あっさり勝ち。
第2セット:
今度は、[からみつく鉄線]は出てこない。
相手、[はじける子嚢/Saprpling Burst(NE)]を出すも、こちらのライフが無くなる前にコンボが起動して勝ち。
近藤さんのデッキは、[からみつく鉄線]か[煙突]と[はじける子嚢]か[錯乱した隠遁者/Deranged
Hermit(UL)]を出して、場をコントロールするものだそうな。
どの組み合わせも出てこなかった訳だから、引きが悪かったんだね。
それにしても、こちらのコンボが回ったときに、「こっちもセラのアバター、入ってなかったかなー」などとライブラリーを探してみたりして、楽しくプレイしてくれたのが印象に残ってます。
やっぱ、ゲームは楽しくやんのが一番良い!
3回戦 青白補充デッキ ○×−
第1セット:
相手、典型的な補充デッキの回し方。
居るだろう事はわかっていたのに、
グランプリ名古屋で痛い目に遭っているのに、
実は対戦練習をしていない。
だが、ラッキーなことに相手は[オパール色の輝き/Opalescence(UD)]を墓地に送れないでいる。
こちらの苗木トークンがゆっくりではあるが相手のライフを削っていく。
相手、[補充/Replenish(UD)]を使って、墓地の[パララクスの波/Parallax
Wave(NE)]と[パララクスの潮流/Parallax
Tide(UD)]を場に出し、時間稼ぎにかかる。
結局、時間稼ぎが終わっても相手のコンボは成立せず、逆にこちらのコンボが回って勝ち。
第2セット:
今度は、相手は[オパール色の輝き]を含め、順調にエンチャントを墓地に送っている。
こちらも良い引きで、コンボ用のキーカードが揃う。
相手、[補充]をプレイ。
しかし、自分のターン、[森]をプレイし、[恭しき沈黙/Reverent
Silence(NE)]を相手に6点のライフを与えてプレイする。
これでエンチャントが全て破壊された。
次の自分のターン、コンボ成立に向けてプレイした[菌獣の群落]を[対抗呪文/Counterspell(6E,MM)]で打ち消される。
仕方ないので、[スランの鋳造所/Thran Foundry(UD)]をプレイ。
相手が[補充]をプレイした時に、[スランの鋳造所]を起動して、相手の墓地をライブラリ送りにする。
しかし、[菌獣の群落]も[悟りの教示者]も引かない!
そうこうしているうちに、相手、三度目の[補充]をプレイ。
うーん、もう対策無いです。
第3セット:
先のセットで、相手が[菌獣の群落]を利用する気がないのがわかったので、早々にプレイ。
どうやら相手は、自力で回して手札を回転させたい様子。
苗木トークンでがんがん殴る。
苗木トークンが3体になったところで、[菌獣の群落]に[浄化の印章/Seal
of Cleansing(NE)]をプレイされる。
相手に苗木トークンを出されてブロックされる心配がないため、さらにがんがん攻撃。
相手の残りライフが3になったところで、ついに[補充]がプレイされる。
自分、[スランの鋳造所]を出し忘れていることに気づく。
大失敗。勝っていたかも。
こちらのライフが無くなる前に時間切れで引き分け。
危なかった。
対戦相手の人、友達が帰ってしまうし、優勝の目が乏しくなったからとリムーブ。
もったいないと思うんだがなぁ。
4回戦 赤茶ワイルドファイアデッキ ×○○
3回戦で、O氏を破って全勝で勝ち上がってきた園原隆士さんが相手。
園原さんに勝てば全勝がいなくなって、私の優勝が決まる。
これは頑張らねば。
第1セット:
相手、序盤からマナ出しアーティファクトを展開。
典型的な赤茶単のプレイングだ。
しかしこちらも手札は悪くない。
相手のターンのエンド・フェイズに[悟りの教示者]をプレイし、次の自分のターンにコンボ成立で、勝ったなと思っていたところに、相手、[燎原の火/Wildfire(US)]をプレイ。
以前にも、これとよく似たことがあった気がする。
ともかく[悟りの教示者]をプレイして、あとはどんな土地でもいいから土地さえ出せ直せれば勝てる状態にしておく。
相手、[欲深きドラゴン/Covetous Dragon(UD)]をプレイ。
まずい、速く土地が揃わないと…
土地引かーーん。
で、負け。
第2セット:
相手、またも序盤からマナ出しアーティファクトを展開。
しかも、今度は[欲深きドラゴン]と[マスティコア]が一気に出る。
こっちは、キーカードが一枚足らないってぇのに、土地ばかり引く。
次のターンには[マスティコア]で[極楽鳥]も破壊されてしまうだろう。
このままでは、2ターンで終わってしまう。
そこで苦しまぎれの策。
マナだけはあることをいいことに、[セラのアバター/Serra
Avatar(US)]をプレイ。
[マスティコア]に対するブロッカーとする。
なかなか見られない豪華な場となった。
しかし、[欲深きドラゴン]には殴られるので、[セラのアバター]のパワー/タフネスの目減りが激しい。
ついに次の相手のターンで負けというときに、最後のキーカードを引く。
ひーー。危なかった。
本当に辛勝である。
最後のあがきがただのあがきで終わらないところが、今日はついている。
第3セット:
かなり良い手札。
最初のドローで、4ターンキル(4回目の自分のターンでコンボが回せる状態)できる手札になる。
相手は、マナ出しアーティファクトを展開するだけ。
今回はなんの邪魔もされることなく、コンボが回った。
園原さんによると、[通電式キー/Voltanic
Key(US)]は入っていないとのこと。
良くそれでここまで勝てたなぁ。絶対回りが悪くなると思うんだが。
それでも3連勝してきたのだから大したものである。
優勝ーー!
今まで構築戦では一度も勝ち越したことがなかったのに、初めての勝ち越しがいきなり優勝である。
快挙である!
しかも、終わってみれば、O氏がオポーネント・マッチ・ポイントで2位。
1−2フィニッシュである。
エピローグ
帰り道、O氏が園原さんに負けたことをしきりにぼやく。
「デッキの相性もプレイングもこっちが良かったのに、呪いを掛けられた」と。
カードの引きが悪くなる呪いを掛けられたらしい。
呪いが掛かりやすい体質なのか、これまでにも引き負けした話しを何度か聞いている。
そういう負けがあるのがM:TGの辛いところだよねぇ。
優勝するには、本当に運がいる。
注:今回、実名があるのは本人の許可(というか出してくれと言われた)をとってあります。
私は、本人の許可が無い時は実名は載せません。念のため。