「仮面の男」ストーリー速報


尊大で冷酷な若き国王、ルイ十四世に統治された17世紀のフランス。彼の父王の時代に三銃士として活躍したアトス、アラミス、ポルトスは、既に宮廷から退いて、平穏な暮らしを送っていた。

ところが、アトスの最愛の息子、ラウルの恋人であるクリスティーヌが国王に見初められたことから、悲劇が起こる。国王は、クリスティーヌを手に入れるためだけにラウルを戦場へ送り、そこで彼は戦死してしまったのだ。息子の死に激怒し、国王を憎むアトス。この事件により、かつて銃士時代に遂行した任務のために王家の秘密を知っていたアラミスは、庶民の貧困と貴族の混乱を招いている現在の国王を退け、フランス王となる資格を持つ、もう一人の若者にこの国を委ねようと決心し、アトスとポルトスを仲間に引き入れる。アラミスの捜していた若者とは、国王の双子として生まれたフィリップ。彼は、父王の命により王宮の外で育てられたが、この秘密を知ったルイ十四世にその存在を抹殺されて、仮面を被されたままバスティーユの牢獄深くに幽閉されていたのだ。
一方、ダルタニャンは銃士隊長として今もまだ国王に仕えており、横暴な国王からも一目置かれる存在となっていた。彼は、もう一人の息子の身を案じる国王の母アンヌ王太后の心の支えとなり、時には若い王に意見して、王家に忠誠を尽くしている。そこで、彼はかつての戦友である三銃士たちの不穏な動きに警戒を強めるのだった。

フィリップ救出に成功した三銃士は、彼に出生の秘密を明かし、ルイ十四世に代わるべく国王としての教育を施してゆく。一方、王宮では、クリスティーヌがラウルの死の真相を知り、命を絶つ。

時は満ちた。仮面舞踏会の夜、三銃士はフィリップとともに宮廷へ潜入し、国王の寝室で双子の兄弟は、初めて相見えることになる。国王とすりかわったフィリップは、舞踏会の会場へ戻り、母親との対面を果たす。だが、それもつかの間、国王を拉致した三銃士は宮殿からの脱出に失敗。フィリップは再び牢獄に戻されて、仮面を被せられる。

いまは敵となったはずのダルタニャンの手引きにより、罠と感じながらも再びフィリップの救出に向かう三銃士。絶体絶命のピンチの中、彼らが知ったもう一つの秘密がこの悲劇の双子の運命を決定づける...


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©三銃士ファンクラブ銃士倶楽部/文:No.19 いせざきるい>