ダグラス・フェアバンクス
がダルタニャンを演じた、無声映画時代の傑作。アメリカ映画。日本公開は昭和4年。アラン・ドワン監督。国王すり替えを企てるのはロシュフォール。ダルタニャンと三銃士の活躍で国王は無事救出されるが、激しい戦いの中、銃士たちは次々と命を落としてゆく。エドワード・スモール監督。ダルタニャンの活躍よりもルイ14世の双子の兄弟であるフィリップに重点が置かれた作品。フィリップはダルタニャンの後見のもとガスコーニュで育てられる。一時は彼を殺そうとして捕らえた国王だったが、あまりに似ていたために彼を影武者として使おうと企てる。ところが、
フィリップと王妃マリー・テレーズが恋仲になったことから、彼は鉄の仮面を付けられ、バスチーユに幽閉される。ダルタニャンたちはフィリップを助け、代わりに国王を幽閉する。アメリカの中古ビデオを観る機会がありました。「データベース」の方には監督がエドワード・スモールとなっておりますがこれはプロデューサーで、監督はジェームズ・ホエールです。ボリス・カーロフの「フランケンシュタイン」や「透明人間」などクラシック・ホラーの巨匠として知られている人物です(イギリス人)。主演はルイス・ヘイワードとジョーン・ベネット。多少のアナクロニズムはありますが(王妃ともあろう人がひとりで出歩いたり、部屋に1人でいるところへノックしてルイが来たり・・・)、娯楽作として十分楽しめますし、画面や役者に品があって良かったと思います。気に入った脚色としてはフィリップがガスコーニュで育ったことになっているため(ほとんど幽閉されていない)、ダルタニャン似の豪胆さやユーモアを持っている事。あと、ヒロインがマリア・テレサ(マリ・テレーズ)になっており、気丈な美女として描かれているのが珍しい所でしょう。ラ・ヴァリエールはなんとモンテスパンばりの色っぽい「愛人」になっちゃってます。フーケはルイの腰ぎんちゃく的小悪党だったりして・・・ルイ/フィリップもなかなかハンサムですし、銃士達も全員出て来ます。<ホームページ読者
Merci!>アンヌ王妃に双子の姉妹ルイーズ王女がいた
、という設定。王妃を密かに愛するダルタニャンが王妃すりかえの陰謀から彼女を救い出す。王妃は彼にルイーズと結婚してアメリカへ渡ってくれるよう頼み、彼はそれに従うが、ダルタニャンは船上で、傍らにいるのが実は王妃であることに気付く。リチャード・チェンバレン
がルイとフィリップの二役を演じたイギリス製作のテレビドラマ。日本でも何度かテレビ放映された。マイク・ミューウェル監督。ルイ十四世の性格は悪く描かれ、国王すり替えは成功する。ルイズはフィリップと結ばれ、マリー王妃も国王が入れ替わったのに一目で気付くが、知らないふりをする。その他の主な登場人物は、フーケ、ダルタニャン、コルベール、アンヌ王太后、ベーズモー、アンリエット。リチャード・チェンバレンの映画「鉄仮面」は、よくTVでやってて、これはダルもかっこよくてGood!…けっこういけるのよ、コレが。それとリチャードさんの二役も見もの。(スタイルが、いいのー。)<111 風守亜香音>
Le Masque de fer (1962)
/The Fifth Musketeer (1979)参考文献:
Richards, Jeffrey , Swordsmen of the Screen, London, 1977, Routledge&Kegan Paul Ltd, ISBN0-7100-8478-1 ほか<
©三銃士ファンクラブ銃士倶楽部/文:No.19 いせざきるい>