■愛知県 知多郡 阿久比町
愛知県の知多半島の中央部に位置する阿久比町は名古屋から電車で30分という近距離にありながら、のどかな田園風景が広がる自然豊な町です。温暖な気候と適量の雨といった自然の恵みによって古くから農業がさかんで、今でも多くの新鮮な農産物を生産している農業地域として多くの方から親しまれています。春には阿久比町の田んぼを菜花やレンゲソウが色飾り、夏にはヒマワリ、秋にはコスモスが四季折々に花を咲かせ魅せてくれます。


■れんげちゃん
れんげちゃんは、レンゲソウを土に鋤きこむことによって有機肥料として育ててられたお米です。レンゲソウはマメ科の植物で、根にある根粒菌が空気中の窒素をレンゲソウの体内に取り入れます。窒素を取り入れたレンゲソウを土に混ぜ込むことで窒素を土に補給することができます。よって、化学肥料を使用する必要はなく、有機質100%の肥料でお米を生産することができます。また農薬は最低限必要な量と回数だけに抑えて稲を育成していますので、環境にもやさしく安心してお召しあがりになれます。
 このように、体にも環境にもやさしく美味しいお米ができる「レンゲ農法」がなぜあまり普及されていないのでしょうか。実は昭和30年代中ごろまでは日本中でレンゲ農法が行われていました。しかし大変手間がかかるレンゲ農法は大量生産の社会の流れについていけず徐々に姿を消していってしまったのです。最近では化学肥料と農薬を大量に使った製法が見直されてきています。レンゲ農法が再び日本中で見られる日はくるのでしょうか。


■阿久比米れんげちゃん研究会
約20人の農家が集まり、阿久比米れんげちゃん研究会として常に安全でおいしいお米作りを目指して研究を重ねています。毎年、研修や話し合いを行い試行錯誤でお米作りに励んでいます。平成4年に結成してから多くの苦労を重ねてきましたが、今では阿久比米れんげちゃんは多くの方から親しまれております。おかげさまで平成12年には農林水産大臣賞、平成18年には日本農業賞を受賞いたしました。今後とも環境保全、安全、おいしさを追及してお米作りを行っていきたいと思います。