「三銃士」ファンのための「ヤング・ブラッド」ガイド

一足先に試写会へ行ってきたので、映画に行こうか迷っている「三銃士」ファンのために、見所とコメントをつけておきました。

娯楽アクション映画としてスカッと楽しめます

この映画は、「三銃士」映画というよりも「ダルタニャン」映画。勧善懲悪のアメリカ映画らしく、どちらかとういうとディズニー映画版のノリですが、ストーリーのテンポは快調で、退屈しません。目玉となっている東洋アクションを取り入れたチャンバラは今までの銃士映画と比べるとスピード感があるのですがそう違和感なく面白い出来栄えです。原作シーンの再現こそは期待できませんが、銃士モノとしてお約束のシーンはきっちりありますし、「One for all, all for one」の精神も健在です。原作にこだわらず「三銃士」のバリエーションを認められる方なら、超オススメです。21世紀の銃士映画として、十分楽しめるでしょう。

若く元気で凛々しいダルタニアンの戦いと恋!

三銃士時代のダルタニャンが出てくる映画の中でも、モデル出身のダル役俳優ジャスティン・チェンバースの若さと美しさは注目です。しかも、「アニメ三銃士」のダルさながらに元気でよく動く!女子供と動物に優しく、ケンカ早いようで頭も良く、鍛え抜かれた身体で戦うダルタニアンは、疲れを知らないスーパーヒーロー風。しかも、これまた銃士映画史上まれに見る可憐なヒロインと清く正しい恋愛を繰り広げてくれます。・・・またダルタニャンの株が上がってしまいそうな気配。ちなみに、少年ダルタニアンも登場します。お楽しみに。

注目のキャラクター

前述したイチ押しのヒロイン、フランチェスカは、原作コンスタンスに相当する役ですが、「アニメ三銃士」のコンスに近い設定。もう一人の女性キャラであるフランス女王(アンヌ王妃)もカトリーヌ・ドヌーブが熱演。失礼ながら年齢は少々気になるものの、これまでで一番がんばっている王妃という印象です。また、出番が多いのがプランシェ。新しい設定が加わって物心両面からダルを支えます。そして、ダルの敵役フェブルは、原作ローシュフォールに相当しますが、悪の限りを尽くすハードボイルドなキャラクターです。残虐シーンが苦手な方は、このキャラクターが出てきたら要注意です(苦笑)。アトス・アラミス・ポルトスの三名については、今回ほとんど期待しないで見に行ってください。それぞれ見せ場はありますが、あくまでも「ダルタニャン」映画だと認識していたほうが幸せです。この三名のキャラクターだけが好きという方は誠に残念ながら今回の映画はお勧めできませんのであしからず。

衣装&背景は必見!!

今回ガスコーニュのサルラを中心にロケをしたそうですが、17世紀フランスの雰囲気という点では、レスター版映画かそれ以上の出来に仕上がっています。舞い上がる埃や臭ってきそうな町の様子、宮廷内厨房の賑わいなど、監督が特に力を入れたと語るだけあって、これだけでも見る価値はありです。特に、馬の扱いは、原作のように走りつかれて倒れる様子まで描かれていて、ちょっと感動。銃士の活躍した時代がビジュアルで体験できます。

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<三銃士ファンクラブ銃士倶楽部/文:No.19 いせざきるい/写真協力:日本ヘラルド>