鉄仮面の伝説はブルボン王家最大の謎として、多くの作家や研究者がテーマとして取り組んできました。
ボアゴベの小説「鉄仮面」(原題「サンマール氏の二羽のつぐみ」)の児童向け翻案作品。投獄された恋人モーリスを追い求めるヒロイン、ヴァンダは、恋人を脱獄させるつもりで、間違えて仮面の囚人を脱獄させてしまう。モーリスは、いなくなった囚人の代わりとして鉄の仮面を付けられてしまい、彼を救うためにヴァンダたちが様々な苦労に立ち向かう。仮面の囚人の正体は、ルイ
14世の双子の兄弟。彼は、ヴァンダの協力者でマザランの姪オランプに引き取られ、これまた数奇な運命を生きることになる。「鉄仮面」(痛快世界の冒険文学シリーズ9)さとうまきこ/文、
1998.6講談社/発行、1500円、ISBN4-06-268009-2<
No.19 いせざきるい>「僧院の前で双子のこどもが見つかる。由緒ある高貴な家柄の僧の血をひく子。彼の名声、権勢は宗教の力と雄弁に支えられて光り輝き、現在のその双子が選ばれたのは当然だと噂されるだろう。(一章
95番)」枢機卿の血を引く「鉄仮面の男」の予言です。「ノストラダムスの全予言1000」(二見書房・発行)から。ルイ14世やチャールズ一世の予言もありました。<
No.111 風守亜香音>藤本ひとみ/著
1993年新潮社/発行パニョル説をもとに華麗なキャラクターたちが活躍する歴史小説。ジェームズ・ラ・クローシュが自分の出生の謎を解き明かしてゆくうちに、ブルボン王家の秘密をつかむ。ラストの大どんでんがえしまで、見事に決まっている。発表当時、大ヒットとなり文庫、マンガはもとより宝塚の舞台にもなった。
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19 いせざきるい>ハリー・トンプソン/著
1989年JICC出版局/発行 ISBN4-88063-604-5とても読み応えがありました。デュマの双子説、イギリス人説、イタリア人説…次々と崩されていって最終章で謎が解明された時、鉄仮面はユスターシュに違いない!と思いました。仮面の男が庶子だったのでなく、ルイ十四世が庶子であるという…うーんすごい説です。ところどころダルタニャンの名前も登場するんですよ。ちなみにこの本の最初の方に、ルイ十四世と鉄仮面とされる男(ユスターシュ・ドージェ・ド・カヴォア)の弟(ルイ・ド・カヴォア)の肖像画が載っているのですが、私、この頁こわくて開けないんです。(ルイとそっくりで。)この説は、ユスターシュの父、銃士隊長フランソワとアンヌ王妃の間の子がルイ十四世だというものです。ルイ十三世とアンヌの間に息子がいなかった為に。
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169 月形むすび>リチャード・チェンバレンの映画「鉄仮面」は、よくTVでやってて、これはダルもかっこよくて
Good!…けっこういけるのよ、コレが。それとリチャードさんの二役も見もの。(スタイルが、いいのー。)<
111 風守亜香音>(桐生操/著)
鉄仮面の事が大きくとりあげられています。<bT
三銃士病>松村喜雄/著
晶文社/発行作家別フランスミステリ史なんですが、ボアゴベの章で鉄仮面を主題にした小説を広く取り上げてます。デュマの章もあるし面白いです。著者は英米ミステリ偏重の日本にあってフランスミステリを紹介してきた人です。
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13 小樽つぐみ>巷に流れる鉄仮面伝説の数々を以下つれづれなるままに書き連ねておきます。興味のある方は参考にしてください。
「ダルタニャン物語」ルイ十四世の双子の兄/「アニメ三銃士」正体不明の怪盗/「アニメ三銃士・パイロット版」ルイ十三世の双子の兄/「ルイ十四世の時代」(ヴォルテール/著)ルイ十四世の母アンヌとマザランが密通して生んだ子供、つまり異父兄弟/「双生児」(ヴィクトル・ユゴー/著)
???/「ド・サン=マール氏の二羽の鶫(邦訳:鉄仮面)」(ボアゴベ/著)/「正史宝暦鉄仮面」(黒岩涙香/訳 昭和26年扶桑堂/発行)(久生十蘭/訳 1940年博文館/発行)/「真説・鉄仮面」(久生十蘭/著)マザランとアンヌの子は、ルイ十四世、ルイ十三世とアンヌの子は鉄仮面となる/「鉄仮面」(モーリス・ロスタン/著)および「バスチーユの囚人」(デュマ/著)は、戯曲/「鉄仮面の男の話」(L.ルトォルヌール/著)、「鉄仮面の男」(アルテュール・ベルネード/著)、「鉄仮面あるいは愛の囚人」(ルネ・デュナン/著)以上は小説有名なマティオリ説は、イタリアの外交官マティオリがフランス国王ルイ十四世をだまし、かなりの金を巻き上げようとして失敗し、投獄されたというもの。「鉄仮面の秘密」(マルセル・パニョル/著
評論社/発行)では、ルイ十三世の双子の息子で、チャールズ二世の息子に成りすました罪(英王室も仏王室との血縁が濃いので似ていたとされる)で投獄されたとある。その他、ルイ十四世と王弟妃アンリエットの息子説、ギーシュ伯とスウェーデン女王の息子説、バッキンガム公爵とアンヌ王妃の息子説、戦争で1669年に行方不明となったフランス元帥ボーフォール公説、チャールズ二世の庶子説、etc.etc. まだまだ紹介しきれないほどの説をふりまきながら、いまだ鉄仮面は秘密のベールに包まれ、古今東西の学者、作家、そして我々の興味を引いてやまないのでした。<参考文献:「鉄仮面・歴史に封印された男」/「少年探検隊」(池内紀/著
1992年平凡社/発行)/雑誌「ふらんす」1992年1月号"久生十蘭のフランス10・鉄仮面をめぐって"(白水社/発行)/「フランス小説移入考」><
19 いせざきるい><最終更新日:
1998.8.17/©三銃士ファンクラブ銃士倶楽部>