アニメ「鉄仮面を追え」ダイジェストストーリー

1987年5月5日NHK作品。「アニメ三銃士」と同じキャラクターで90分程度のスペシャル版として放映した、パイロット版的な作品。(同年秋頃再放送)

STORY

17世紀のパリ。いつの頃からか鉄仮面と呼ばれる怪人がパリの夜を騒がせていた。ダルタニャンと銃士隊は、パリの夜を警戒し、その捜索にあたっていた。ダルタニャンと共に見回りの途中だったアラミスが、なじみの酒場に立ち寄ると恋人のシャルメーンが駆け寄ってくる。彼女と親しげに話すアラミスを置いて、外に出たダルタニャンは、鉄仮面を見つけ、橋の下の小屋に追いつめた!と、思ったとたん、入口の仕掛けにひっかかり、あっけなく気絶。彼が小屋の中で目覚めたとき、この小屋の住人、みなし子のジャンは、すでに三銃士たちによって捕らえられていたが、どうやら鉄仮面とは関係なさそう。結局、この夜も手がかりは得られずじまいだった訳だ。

翌朝、王宮に奉公に出ているはずのコンスタンスに起こされたダルタニャンは、チャンスとばかり彼女の手にくちづけようとする。彼女は、アンヌ王妃のデザインによる、国王ルイ13世が園遊会で着る服を、仕立て屋のボナシューに注文するために帰宅したのだった。しかし、ダルタニャンと分かれ、王宮へ戻ろうとしたコンスタンスは、謎の馬車にさらわれてしまう。居合わせたジャンは、馬車にしがみつくが、中から差し出された刃物に思わず手を放してしまう。なおも走って追いかけようとしたその時、怪しい笛の音とともに、大量のネズミが行く手を阻む。どうやらミレディが邪魔をしたらしい。「大変だー。コンスタンスさんがさらわれたー!!」ジャンはダルタニャンのもとへ駆けつける。ジャンと共に、コンスタンスの行方を追ったダルタニャンは、”犬よりも鼻が効く”という、迷馬ロシナンテを頼りにするが、ロシナンテはセーヌ川の岸辺につきあたってしまった。首をかしげていたダルタニャンたちのところへ、アラミスがシャルメーンを連れてやってきた。「つかまった娘たちは、青い帆のついた船で運ばれるってウワサよ!」そういえば、さきほどもそんな船が...!ダルタニャンはロシナンテと共に船を追い、無事コンスタンスを救出したのだった。「何か盗られたものは?」と尋ねられたコンスタンスは、ルイ13世が園遊会で着る服のデザイン画が見当たらないのに気付く。

「園遊会」が危ない!園遊会当日、警戒を強める銃士たち。なぜかジャンまでぬいぐるみを着て入り込んでいた。リシュリューと談笑しているルイ13世のところへ、謎の美女ミレディが現れる。「アンヌ王妃がお待ちになっております。」ミレディに導かれるルイ13世のあとを、ポルトスが護衛してゆくが、迷路のようなフランス庭園の入口でミレディにとがめられているうちに国王の悲鳴が!!かけつけたときには、すでに国王の姿はどこにもなかった。落とし穴へ落とされたルイ13世は、そこで、うり二つの顔を持つ双子の兄(鉄仮面)に、鉄の仮面を付けられてしまう。

一方、いなくなった国王を探し続ける銃士隊だったが、ジャンがからくりの一部をいじったために、ダルタニャンまで落とし穴に落ちてしまう。穴の中は、なんと鉄仮面のアジトとなっていた。ケガの巧妙で鉄仮面を捕らえることができた銃士たち。一方、ルイ13世も見つかり、国王の前に鉄仮面が連行された。鉄仮面は、うめきながら国王につかみかかろうとし、それを振り払おうとしたポルトスのばか力で、鉄仮面の仮面がぱっくりと口を開けた。そこには、ルイ13世と同じ顔を持つ男が...

「そいつがにせものじゃ。つかまえよ!」双方が主張し、目を白黒させるダルタニャンたち。「恐れながら申し上げます。こんなこともあろうかと、今朝、本物の陛下のお召し物には、アンヌ王妃の指輪をそで口に縫い付けさせておきました!!」アトスの機転により、もはやこれまでと逃げ出す鉄仮面。そこへアンヌ王妃が到着。リシュリューが国王に、王妃の指輪を返すよう薦めるが、本物のはずの国王のそで口にも指輪がなかった!色めき立つ周囲をよそに、アトスは落ち着き払って答える。「すべては鉄仮面をおびき出すための策略でございます。」そして、この一件で大活躍をしたダルタニャンを褒めるのだった。国王は、双子の兄だと言っていた鉄仮面に同情し、鉄仮面を追討しようとした銃士たちを引き留めることにする。こうしてパリ中を騒がせた鉄仮面事件は大団円を迎えたのであった。めでたしめでたし。<Fin.>

©三銃士ファンクラブ銃士倶楽部/文:No.19 いせざきるい>

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*文章は、雑誌「アニメディア」掲載の解説をもとに、ビデオで確認しつつ脚色したものです。