章 |
タイトル |
あらすじ |
1 |
朝 |
ルイ十四世と入れ替わったフィリップは、アラミスと共謀し、国王になりすますと、朝一番に呼んであったダルタニャンにフーケの釈放を命じる。 |
2 |
国王の友 |
釈放を知ったフーケは、アラミスに事の次第を尋ねる。アラミスは、国王すりかえの陰謀を告白するが、フーケは企てを拒否し、アラミスに逃亡を勧める。 |
3 |
バスチーユでは命令がいかに守られていたか |
フーケは単身バスチーユに乗り込み、マルキアリとして連れてこられた国王ルイ十四世を釈放しようと手を尽くす。 |
4 |
国王の感謝 |
国王の獄にたどり着いたフーケは、ルイ十四世に一部始終を話す。最初はフーケの仕業と怒り狂っていた国王も、陰謀の首謀者がアラミスであったことに納得するが、フーケの願う特赦は叶わなかった。 |
5 |
にせの国王 |
フィリップは、アラミスが戻ってこないのを不審に思いつつも、国王として朝の謁見に臨んでいた。そこへルイ十四世とフーケが戻り、瓜二つの国王に場は騒然となるが、ダルタニャンは真の国王を見分け、事態を収拾する。 |
6 |
ポルトスの早合点、幻の公爵領をめざして馬を走らす |
ベル・イル目指して駅馬車を走らせるアラミスとポルトスは、ブロワで乗る馬がいない事態に直面し、アトスの領地へ立ち寄ることを決心した。 |
7 |
永の別れ |
アラミスたちは、再会したアトスに状況を説明し、馬を借りると再び出発した。これが最後の別れになると予感を抱いたアトスのもとに、ボーフォール公爵の一隊が訪ねてくる。 |
8 |
ボーフォール公爵 |
ボーフォール公爵は海軍大将としてアフリカ遠征に赴くと語った。いまだ失恋の苦悩から立ち直れずにいたラウルは、遠征への同行を願い出る。 |
9 |
出発の準備 |
ラウルはアトスと一緒にパリへ上京した後、ギーシュを探して王弟の屋敷へやってきた。そこで、たまたま出会ったモンタレーとルイズについて言い争っている最中にやってきたのは、密会する王弟妃とギーシュだった。 |
10 |
プランシェ商会の財産目録 |
一方、ラウルと合流したアトスはダルタニャンを探しにプランシェを訪ねる。プランシェは財産目当ての女性と結婚し、引退する様子だった。アトスは残された地図の跡からダルタニャンが南仏に向かったのに気づく。 |
11 |
ボーフォール殿の財産目録 |
次に、二人はボーフォール公のもとを訪れ、ラウルは副官として遠征の命令書を受け取る。公爵の大盤振る舞いや遠征準備の遅れを見て取ったアトスは、ラウルと共にトゥーロンに向かうことに。 |
12 |
銀の皿 |
遠征の準備中に、二人は漁師の話からダルタニャンの足跡を摑んでサント・マルグリット島へ向かった。上陸した二人の前に、囚人のメッセージが刻まれた銀の皿が投げられた。それに気づいたダルタニャンは二人に駆け寄る。 |
13 |
囚人と獄吏 |
国家の機密を知った二人を司令官からかばうため、ダルタニャンは一芝居打つと、要塞の外へ二人を連れ出した。事情を知ったダルタニャンはラウルの決心を覆そうとするが、ルイズへの手紙を託されてしまう。 |
14 |
約束 |
国王からの召還状を受け取ったダルタニャンと共に、島から出た二人は、ダルタニャンと別れの抱擁を交わす。出発の時間が迫り、アトスとラウルは、これまでの人生を振り返り、お互いにやさしい言葉を掛け合う。 |
15 |
女どうし |
宮廷に戻ったダルタニャンは、ルイズに会いに行ったが、寵姫となったルイズは周囲の女性たちにラウルへの不実について責められていた。一方、国王はダルタニャンにナントに行き、主だった貴族の屋敷に見張りの銃士を置くよう命じる。 |
16 |
最後の晩餐 |
手形を換金するため、ダルタニャンは最後の晩餐が開かれていたフーケ邸に立ち寄る。そこへ到着した、国王の使者が国庫の残金すべてを回収したので、フーケは無一文で、ベル・イルを目指すことに。 |
17 |
コルベール殿の馬車の中で |
ナントに向けて出発したダルタニャンは、コルベールの馬車にヴァネル夫人とシュヴルーズ夫人が乗り込んでいるのを知る。シュヴルーズ夫人は、敵となったアラミスの秘密をコルベールに暴露し、彼を滅ぼすための密約を結ぶ。 |
18 |
二隻の河船 |
フーケの乗る河船につかず離れず監視するように追ってきたのは、コルベールの河船だった。やがて、二隻はナントへ着き、待ちかねていたダルタニャンはフーケのもとへ挨拶に出かけた。 |
19 |
友の助言 |
病に臥しているフーケを訪ねたダルタニャンは、国王が到着する前に逃亡するよう、友としての助言をする。フーケが逃げようと決心したとき、ナントに到着した国王の命を受けたダルタニャンによって国王のもとへ連れて行かれる。 |
20 |
国王ルイ十四世はどんなふうにちょい役を演じたか |
国王に呼び出されたフーケは、高熱のため、三部会での会議欠席を願い出る。一方、ダルタニャンに下った命令は、フーケの逮捕だった。 |
21 |
白馬と黒馬 |
グールヴィルの書いた手紙のかけらから、フーケが逃亡したことを知ったダルタニャンは、必死に追いかけるが、ついに力尽きてしまう。だが、誠実なフーケは逃げるチャンスを捨て、ダルタニャンの手当てをし、逮捕に甘んじるのだった。 |
22 |
りすが倒れるとき、蛇は飛ぶ |
国王に呼ばれたダルタニャンは、フーケが自ら逮捕された顛末を話したが、国王の意思は固かった。国王は、ダルタニャンとコルベールを仲直りさせ、ダルタニャンにはベル・イル接収を命ずる。 |
23 |
ベル・イル・アン・メール |
一方、ベル・イルでは、出航した船がすべて戻ってこない事態にアラミスとポルトスが困惑していた。そこへ現れた船団の指揮をとっていたダルタニャンは話し合いの機会を持つことを提案する。 |
24 |
アラミスの説明 |
アラミスはこの陰謀の全貌をポルトスに告白する。そこに、ダルタニャンが監視の士官と共に到着し、旧友同士での相談となる。ダルタニャンは、アラミスたちの船を用意してやろうと、一旦艦船に戻って会議召集の手はずを整えるが、士官はその動きを封じるような勅命書を見せるのだった。 |
25 |
国王の思惑とダルタニャンの思惑 |
ダルタニャンは第二の手段として、辞意を表明し艦隊をベル・イルから一時遠ざけようとするが、その場合はダルタニャンを逮捕すべしという第二の勅命書によって、アラミスたちを救う希望は絶たれてしまう。 |
26 |
ポルトスの祖先 |
ポルトスは先祖代々の致命傷となった脚が弱っているのを気にかけていた。そんな中、艦隊からベル・イルへの攻撃が始まったが、アラミスたちはそれを退け、捕虜を捕まえることに成功した。 |
27 |
ビカラの息子 |
アラミスとポルトスが捕まえた捕虜は、昔戦ったビカラの息子だった。彼は、国王軍が他の場所からも上陸してくることを暗にほのめかす。アラミスは島民に戦線離脱するよう説得し、捕虜を逃がすと、自らはボートを待機させてあるロクマリアの洞窟に向かうことに。 |
28 |
ロクマリアの洞窟 |
逃亡者二人は洞窟に辿り着くと、二通りの逃亡経路を検討し始めた。たが、猟犬に気づかれ、洞窟の中に入り込まれたのでやむなく殺す破目に。 |
29 |
洞窟 |
猟犬を追ってきた国王軍は洞窟の様子を探ろうと踏み込んできた。そこに居合わせたビカラの息子は、中にいるのがアラミスとポルトスだと気づき、軍の洞窟入りをなんとか阻止しようとするが叶わず、洞窟内に国王の反逆者が逃げ込んだことを知られてしまう。 |
30 |
ホメーロスの歌 |
味方が小船を海に出している間に、アラミスとポルトスは、二人で小隊を相手にしていた。ポルトスは獅子奮迅の働きを見せ、鉄の棒で兵士たちをなぎ倒していた。 |
31 |
巨人の死 |
アラミスは、ポルトスに火薬樽を小隊に投げつけるように促し、洞窟内の小隊は壊滅した。しかし、小船に退避しようとしたポルトスは膝に起きた異常のため、爆発で落盤した岩の下敷きになり、絶命してしまう。 |
32 |
ポルトスの墓碑銘 |
小船でベル・イルを後にしたアラミスたちは、巡洋艦に発見され、万事休すと思われた。ところが、艦長に会ったとたんに立場は逆転し、アラミスはイエズス会管区長として、舳先をスペインに向けさせた。 |
33 |
ジェーヴル殿の巡視 |
ナントに戻ったダルタニャンは、なかなか国王に会うことができなかった。それなら辞表を出すと意気込んだダルタニャンはジェーヴル殿に連行され、国王のもとに。 |
34 |
ルイ十四世 |
国王と口論したダルタニャンは、国王の成長を目の当たりにし、服従の道を選ぶと、友人の恩赦を願い出る。 |
35 |
フーケ殿の友人たち |
ダルタニャンはアラミスの手紙によって、彼の消息とポルトスの死を知る。国王は、ダルタニャンの願いに応じ、フーケの友人たちがフーケ夫人を援助しようとするのを認め、ダルタニャンには亡き友人を悼むための休暇を与える。 |
36 |
ポルトスの遺言 |
ダルタニャンはピエールフォンで行なわれたポルトスの葬儀に立ち会った。ポルトスは、ラウルを中心に的確な遺言をしたためていた。ムースクトンは遺贈された主人の服の上で息絶える。 |
37 |
アトスの晩年 |
ラウルと別れ、領地に戻ってきたアトスは、自らの意思であるように日に日に衰弱していった。そこへアラミスからの手紙が届き、ポルトスの死を知る。 |
38 |
アトスの幻影 |
友人たちの消息を知ろうと外出しかけたアトスだったが、領地に留まるようにという不可思議な力が働いていると悟り、外出を断念する。老伯爵は生死の境を彷徨い、ついに意識は息子の姿をとらえる。 |
39 |
死の天使 |
ラウルに同行したはずのグリモーの突然の帰還により、アトスは息子の死を悟ると、息を引き取った。一足違いで到着したダルタニャンは、親友の亡骸を前に悲嘆に暮れる。 |
40 |
書翰 |
ダルタニャンは、アトスに宛てられたボーフォール公爵の手紙によって、ラウルが自殺まがいの死を選んだ顛末を知る。 |
41 |
歌の終節 |
父子の葬儀に立ち会ったダルタニャンは、墓地で死者に許しを請うルイズを見かけ、ラウルから預かった伝言を伝えると、一人パリへの帰途についた。 |
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エピローグ |
四年後、フーケを護送し、ピニョルにいたダルタニャンは、ロワールの狩りに召還され、スペインの大使として来仏したアラミスと引き合わされた。コルベールらの働きにより、国王の外交政策は着々と成果を上げつつあった。 |
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ダルタニャンの最期 |
オランダとの戦端が開かれ、ダルタニャンも総司令官として華々しい成果を上げていた。国王は、以前約束した元帥杖を戦場に届けさせるが、杖に手を触れようとした瞬間、銃弾がダルタニャンを貫き、命を奪う。 |
<©三銃士ファンクラブ銃士倶楽部 2008/文:NO.19いせざきるい>
<背景:サント・マルグリット島で囚人の投げた銀の皿を拾うアトスとラウル/ A.de Neuville(1835-1885) >