章 |
タイトル |
あらすじ |
1 |
かけひきも |
アラミスと別れたシュヴルーズ夫人は、コルベールの家へ向かい、フーケ汚職の証拠書類を十万エキューで買い取ることを承諾させる。 |
2 |
取らぬ狸の |
コルベールは、財務監督官のヴァネルにフーケが持っている検事総長の座を平和的に買収するよう勧める。 |
3 |
太后の居間 |
国王の醜聞に眉を顰める病身の太后のもとへ、尼に変装したシュヴルーズ夫人が現れ、国家機密ともいえる太后の産んだ双生児が憂いの原因だと言い当てる。 |
4 |
二人の女友だち |
シュヴルーズ夫人は、ノワジーで病死したはずの双生児の片割れが、トゥーレーヌで健在だったと伝え、太后の信頼を取り戻すと、ダンピエールの城への僥倖を約束させ、フーケが夫人に十万エキュー支払うよう取り計らう。 |
5 |
ラ・フォンテーヌの |
手元不如意のフーケのために、彼の友人たちは金策に走った。ラ・フォンテーヌは、色っぽい滑稽詩が高く売れることに目をつけて、800リーブルを稼いできた。 |
6 |
ラ・フォンテーヌ先生、仲介の労をとること |
ラ・フォンテーヌは、検事総長の座を買いたがっているヴァネルをフーケに引き合わせる。フーケは快く承諾する。 |
7 |
ベリエール夫人の銀器と宝石 |
フーケは検事総長の座を売った金で、ベリエール夫人の銀器と宝石をすべて買い戻し、晩餐の席で披露した。 |
8 |
マザランの |
晩餐の席に現れたアラミスは、シュヴルーズ夫人との取引に出た書類の件についてフーケに尋ねる。裏帳簿からフーケ経由で軍事費へ回った千三百万の公金の潔白を証明するマザランの領収書は盗まれていた。検事総長の座を売り渡す契約を破棄するよう勧めるアラミスに対し、名誉を尊重するフーケは承諾しない。 |
9 |
コルベールの |
そこへやってきたヴァネルにフーケは大金を積んで契約を破棄するように頼むが、ヴァネルは首を縦に振らず、持っていた書類から、その企みがコルベールによるものだと明らかになる。検事総長の契約破棄に失敗したアラミスは、ヴォーの園遊会に次の一手を定める。 |
10 |
ブラジュロンヌ子爵、 |
ルイズの家から帰ったラウルは、傷心のまま友人のギーシュのところへ。ラウルを目の前にしたギーシュは真実を言えず、ダルタニャンに尋ねるよう勧める。 |
11 |
ブラジュロンヌの疑惑 |
ダルタニャンに会ったラウルだったが、断片的な事実しか明らかにされず、次はモンタレーに聞こうと考えた矢先、彼女が王弟妃の命令でラウルを探しに来た。 |
12 |
嫉妬の二つの相 |
アンリエットは、ラウルに国王とルイズの間に起こった一部始終を聞かせたが、ラウルはルイズの心変わりが信じられない。 |
13 |
家宅捜索 |
アンリエットの話を疑うラウルを連れて、彼女はルイズの部屋の仕掛けを見せる。確たる証拠を突きつけられたラウルは、打ちのめされながらも、サン・テーニャンに宛てた手紙を残して部屋を去る。 |
14 |
ポルトス式戦術 |
ポルトスに相談したラウルに、ポルトスは決闘で事が解決すると気軽に示唆する。苦しみから解放される術を与えられたラウルは、三つの言葉で決闘の仲介を依頼する。 |
15 |
引っ越しと |
ポルトスは、サン・テーニャンと会見し、全く事情が分からないままに三つの言葉を挙げ、相手を震え上がらせた。国王に呼ばれていた彼は、ラウルの待つミニームの修道院へあとで向かうことに。 |
16 |
政敵 |
フーケは礼を尽くして国王をヴォーの園遊会に招待した。一方、検事総長の座をコルベールの友人に売り渡したと国王に告白することで、政敵のコルベールに対して一矢を報いる。 |
17 |
恋仇 |
国王は、サン・テーニャンからラウルの決闘申し込みを聞かされ、決闘の場へ行かないよう指示する。国王の秘密を暴露したのが王弟妃であると目星をつけた二人だが、そこへラ・フェール伯爵が謁見に訪れた。 |
18 |
国王と貴族 |
ラ・フェール伯爵は、国王にラウルとルイズの結婚を願い出たが、私情に流される国王は拒絶する。国王の不誠実さに愛想をつかした伯爵は、国王への忠誠を捨てると宣言する。 |
19 |
嵐は続く |
謁見から戻ったアトスは、ラウルに事実を確認してきたことを伝えた。そこへダルタニャンが訪ねてきたが、屈託なく話す二人に安心したラウルは一人になるために帰宅する。 |
20 |
ラウルの嘆き |
一人になり暗い思いに取り付かれるラウルが、自宅に飾られたルイズの肖像画を眺めながら悲嘆に暮れていると、背後に隠れていたルイズが現れた。 |
21 |
恋の痛手 |
許しを請うルイズの口から告げられた真実に止めの一撃を刺されたラウルはルイズに二度と会わないことを決心する。 |
22 |
銃士の友情 |
ラウルの帰宅後、ダルタニャンは国王の命令でアトスを逮捕に来たことを告げ、逃げるよう薦めるが、アトスは国王に罪を自覚してもらうため、逮捕して欲しいと主張する。 |
23 |
食卓で顔見合わせて目を丸くする三人 |
アトスをバスチーユに護送してきたダルタニャンは、典獄長のベーズモーの食卓にアラミスがいるのを目撃する。そこで一計を案じ、彼らの食事にアトスを同席させてもらい、自分はその隙に出かけて用事を片付けてくることに。 |
24 |
一方、ルーヴル宮では…… |
ダルタニャンは国王にラ・フェール伯爵の一件を報告し、自分もバスチーユに入れてもらうよう願い出るが、国王の怒りは募る一方。率直な言葉で国王の非を指摘し、命がけで君主の道を説くダルタニャンに冷静さを取り戻した国王は、ラ・フェール伯爵の釈放を承諾する。 |
25 |
政敵 |
ベーズモーの食事が終わる頃、バスチーユに再び戻ったダルタニャンは、アトスの収監状と釈放状を見せ、事の次第を明かした。一方、アトスの身を案じるグリモーに会ったラウルは、ミニームの修道院で待つポルトスを忘れていたことに気づく。 |
26 |
ポルトス、わけもわからず説きふせられること |
ポルトスと合流したラウルはアトスを助けるために、バスチーユから出てきた馬車を襲撃した。中にいたのは、領地に帰る決心をしたアトスを見送るダルタニャンで、ラウルも父親と一緒に帰ることに。一方、ポルトスは、ダルの勧めでサン・テーニャンと仲直りすることに。 |
27 |
ベーズモーの |
アラミスと二人きりになったベーズモーは、アラミスに彼の属する秘密結社の話を向けられ、警戒する。アラミスが教団の懺悔聴聞僧だと明かしたと同時に、聴聞僧を呼ぶ囚人の知らせが入る。 |
28 |
囚人 |
アラミスはベーズモーに案内させて、国王とうり二つの囚人の部屋へ、聴聞に訪れる。アラミスは、彼が国王と双子の兄弟である真実を告げ、バスチーユから出て国王の座を得る野心を芽生えさせようとする。 |
29 |
ポルトスに無断で肥ったムストン、主人の不興を買う |
久しぶりにポルトスを訪ねてたダルタニャンは、彼がヴォーの園遊会に招待されたのに、採寸の手間を省くため、同じ体型にしておいたムスクトンが太ってしまい着て行く服が一着もないと途方に暮れている現場に出くわし、国王御用達のペルスランの店を薦める。 |
30 |
王室ご用の仕立屋ジャン・ベルスラン |
ペルスランの店には大勢の客が押しかけて大さわぎとなっていた。ダルタニャンはそれらの人の脇を軽々とすり抜けて、モリエールに取り次ぎを依頼した。 |
31 |
布地の見本 |
ポルトスの服についてペルスランは難色を示したが、そこへ闖入してきたアラミスの口ぞえで、作ってもらえることになった。アラミスは陛下の肖像画を描かせるためと仕立て屋を説得し、ダルタニャンの目の前で園遊会のときに国王が着る衣装のデザインと布地を手に入れる。 |
32 |
モリエールの『町人貴族』のヒント |
ポルトスの採寸をまかされたモリエールは、彼の姿を鏡に映し取る方法でやってのけ、ポルトスの賞賛を浴びた。 |
33 |
巣箱と蜂と蜜 |
サン・マンデのフーケの屋敷に戻ってきたアラミスは、園遊会の準備が順調に進んでいる様子を見て、バスチーユの囚人を釈放する手紙にフーケのサインを求めた。 |
34 |
ふたたびバスチーユの晩餐 |
バスチーユで晩餐中のベーズモーとアラミスのところへ、囚人の釈放命令が届く。席をはずすのを渋るベーズモーにアラミスは職務を遂行するよう促し、隙を見て書類をすり替える。 |
35 |
教団の管区長 |
なお躊躇するベーズモーに、アラミスはイエズス会教団管区長としての命令書を書き服従させ、バスチーユから囚人マルキアリを無事連れ出すことに成功する。 |
36 |
誘惑者 |
アラミスは連れ出したフィリップ王子に、自分の正体を明かし、国王と入れ替わる陰謀に加わるか、片田舎で一生静かに暮らすか、二者択一を迫る。 |
37 |
未来の国王と |
王位を奪う決心をした王子に、アラミスは法王の座を狙う自分の野望を明らかにし、陰謀の全容を伝える。 |
38 |
ヴォー・ル・ヴィコントの館 |
ヴォーの館では、国王を迎える準備が刻一刻と整っていた。 |
39 |
ムランの酒 |
ヴォーに早く到着してルイズと過ごす時間を持ちたい国王に反して、コルベールはムランに立ち寄り、ヴォーへの到着を引き伸ばしていた。国王の気持ちを汲んだダルタニャンは、少数の護衛のみで国王をヴォーへ送り届ける。 |
40 |
山海の珍味 |
フーケの歓待ぶりに国王も一行も文句のつけようもなかった。大園遊会の夜も更け、国王は豪奢な寝室に案内される。 |
41 |
ガスコン魂 |
やっとのことでアラミスを見つけたダルタニャンは、自分の心に沸く疑惑をぶつけてみるが、うまくはぐらかされてしまう。ダルタニャンを見送ったアラミスは、王子に国王とコルベールのフーケ横領についての密談と就寝儀式を覗き見せる。 |
42 |
コルベール |
翌日、饗宴の続く中で、国王はフーケの処遇について迷い、ルイズに相談する。彼女は国王の名誉のために、園遊会の開催中にフーケを逮捕することに反対し、コルベールの思惑がはずれることに。 |
43 |
嫉妬 |
コルベールは、かつてフーケがルイズに送った恋文を国王が拾うように仕向けた。それを読んだ国王は嫉妬のあまりフーケを憎み、ダルタニャンを呼んで即刻逮捕させようとするが、銃士隊長からも説得され、翌朝まで命令は保留されることに。 |
44 |
大逆罪 |
怒り疲れた国王の寝台は、突然地下道に下ろされ、国王は二人の謎の男に連れられて、バスチーユに収監された。アラミスは、ベーズモーに囚人の釈放は間違いだったので連れ帰ってきたと釈明する。 |
45 |
バスチーユの |
バスチーユに収監された国王はフーケとアラミスの陰謀だと見抜くが、一晩中叫び暴れても狂っていると思われただけで誰も相手にしなかった。 |
46 |
フーケの影 |
フーケが一人になったのを見計らって、ダルタニャンはフーケの部屋に入り、命令どおり彼の監視を始めた。ダルタニャン流の温情に触れたフーケは、ダルの忠告に従い夜明けを待っていた。 |
<©三銃士ファンクラブ銃士倶楽部 2007/文:NO.19いせざきるい>
<背景:バスチーユの独房で懺悔聴聞僧としてフィリップと面会するアラミス/ A.de Neuville(1835-1885) >